読書ノートから 14
プーと私
石井 桃子
・・・その夜、そこには、小さなクリスマス・トリーが飾られていて、
その下に、あまり新しくない朱色のジャケットのかかった本が一冊
おいてあった。
石井桃子さんは プーとの出会いをそんなふうに書き出していました。
「もうじき死んだら、三途の川原で石をつんでいる、かわいそうな
こどもたちを相手に幼稚園を開こう。日本語になってないと上手に
話してやれないではないか」
そんな友人のおくり物としてプーは何度も推敲されて本になっていた
のでした。
1950年代のアメリカやイギリス、オランダの子供の図書館
をめぐる旅はなんと冒険にとみ、楽しく有意義なものだったろう。
そこでは子供に喜びを与える仕事、子供を信頼する人たちとの
出会いでした。つぎに出る絵本「生命の話」の絵を次々に
見せながら説明してくれたのはバージニア・リー・バートン。
A,A.ミルンの「くまのプーさん」や「ピーターラビットの絵本」
そして石井桃子さんのエッセイに出会えたことが本当にうれしい。