読書ノートから 13
翻訳ってなんだろう?
鴻巣 友季子
本は読むだけなく考える事が大切、とはよく言われること。
一つの言葉、一つのセンテンスをこんなにも様々な思いを
めぐらせて訳すのか・・・というのがこの本を読んだ感想です。
サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』の部分では
・・・ホールデンが自己紹介をするくだりの YOU の訳し方について
自分を受け入れてくれる存在
様々な視点が 毛糸のソックスの色を表す。
赤茶色の靴下、ヘザー色の混紡の靴下、ぼんやりした赤茶色の塊、
純愛小説かとおもいきや、人称代名詞を変えることで
見えてくる「不動産小説」
他にも『赤毛のアン』『風とともに去りぬ』など名作を鋭く
捌いていてとても興味深い一冊でした。