読書ノートから 11

 スヌーピーたちのアメリカ 

   A Journalists View of America Through PEANUTS

            広淵 升彦



 
 携帯電話さえなかった頃の話ですが 英語を忘れたくない、という

 思いから通勤電車の中でよくピーナッツのコミックを読んでました。

 不思議なビーグル犬スヌーピーと飼い主のチャーリー・ブラウン

 活躍するコミックです。『スヌーピーたちのアメリカ』を読みながら

 英語だけではなく、心の奥がずいぶんと癒されてたんだな〜

 と今更ながら思っています。

 
 チャーリー・ブラウンは野球チームの監督兼ピッチャーです。

 負けてばかり。時には60対0で負ける。チャーリー・ブラウン

 決してあきらめない。彼は真冬の雪の降るグラウンドに立って

 春の日のことを思う。


 ライナスは言う。「大金持ちで有名になりたい、でもお金に執着せず

 つつましい人間になりたい」

 これに対して著者は 物やカネばかりにこだわる社会ははしたないが、

 はしたないくらいの社会のほうが平和で長続きする。


 と考えたこともないような深い読みです。

 このちびっこたちの世界は深い、そして広い。

 
 作者のシュルツさんは1930年代の大恐慌の時代に少年時代をすごし

 お父さんはイタリアからの移民で苦労をし お母さんは癌でなくなり

 失恋や戦争もあり・・・そんな経験がピーナッツのベースになってる

 のでした。何度も繰り返して読みたいピーナッツへの愛情あふれる

 一冊でした。