読書ノートから 10

 コーヒーと随筆

       庄野雄治 編



 巴里のむす子へ  岡本かのこ


 巴里へ残してきた息子タローへの あふれる思いに

 圧倒されるの手紙
 
 「あんまり断片的な感想で、さっぱり判りませんね。もっと

   冷静に書いて寄越してください」といわれるくらい。(笑)


  SNSもなかっただろうし、巴里まで遠かっただろうし、

  手紙を書くこと 詩をよむことが全てだったのかな。


 

 日本の小僧

    三遊亭園朝


  大人の無邪気さと子供の無邪気さが いい。

  牡丹餅が蛙に変わるところが すごく楽しい。



 人の首

    高村光太郎


 ・・・概して文芸家の首には深みがある。

 ドストエフスキーストリンドベリ、・・・

 ヴェルレエヌ等はなんという不思議な首だろう。



 こんなふに考えたこともないなあ〜ぐらいおもしろい随筆


  他にも芥川龍之介 寺田寅彦 etc.

 100年くらい前の随筆集。もちろん古びてなんかいない。

   しかし 自然が豊かだったんだなあ と思う。

   それに寄せる人の心も。