読書ノートから 13
翻訳ってなんだろう?
鴻巣 友季子
本は読むだけなく考える事が大切、とはよく言われること。
一つの言葉、一つのセンテンスをこんなにも様々な思いを
めぐらせて訳すのか・・・というのがこの本を読んだ感想です。
サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』の部分では
・・・ホールデンが自己紹介をするくだりの YOU の訳し方について
自分を受け入れてくれる存在
様々な視点が 毛糸のソックスの色を表す。
赤茶色の靴下、ヘザー色の混紡の靴下、ぼんやりした赤茶色の塊、
純愛小説かとおもいきや、人称代名詞を変えることで
見えてくる「不動産小説」
他にも『赤毛のアン』『風とともに去りぬ』など名作を鋭く
捌いていてとても興味深い一冊でした。
絵本ノートから 113
いちばん美しいクモの巣
・・・リーゼは 歌をうたう人がじぶんののどから声をはき出すように
じぶんのからだから じぶんの糸をはきだしつづけました。
本の題名は LEESE WEBSTER
クモの女の子リーゼは オリジナルの自分だけの巣をつくることに
日々悩み続けます。人間にほめられても満足できません。
しかし とうとう美しいクモの巣を作ることができたのです。
バラの花 朝露 朝日 朝食のハエ