海は燃えている イタリア最南端の小さな島


 アフリカ大陸に最も近い島 ヨーロッパへの玄関口として

 ガーナ、マリ、ナイジェリアなどから 年間5万人もの難民が

 流れ着くランペドゥーサ島。

 難民たちの身も心もボロボロの 報道では伝えきれない

 もう一つの現実に 言葉を失う。


 島の日常と流れ着く難民たちの現実が

 交互に映し出される。

 この島のバルトロ医師は言う。

 助けることが使命と。

 島の住民たちも 監督のジャンフランコ・ロージも

 同じ思いなのだと思う。大人の島なのだ。

 
 ラスト この映画の小さな主人公サムエルの放つ

 ゴム鉄砲の先のはてしない空に

 スクリーンいっぱいに映し出される

 海と空のはてしない地平線に

 私は 私たちは未来を夢見ていいのだろうか?

 
 もっとも厳しい 鮮やかなドキュメンタリー映画だった。