パプーシャの黒い瞳

 ジプシーという閉鎖的な社会で 詩人として知られる

 プロニスワヴァ・ヴァイスの物語。

  
 ・・・すべてのジプシーよ わたしのもとへおいで

      はしっておいで大きな焚火が輝く森へ

      すべてのものに 陽の光が降り注ぐ森へ


   生きる喜びに満ちた胸をうつ詩だ。

   しかし 現実は 社会は 歴史は あまりにも過酷で

   貧困と孤独のうちに 生涯をおえた詩人です。


  
   マイノリティ マイノリティというけれど

   考えてみれば 私たちも家をなくしたり

   国をなくしたり 愛する人をなくしたりと

   もう一つのジプシーでは ないだろうか。


  そんな時でも 自分をみつめた人だけが 光と影の

  美しい世界を垣間見たり 映し出したりできるのでは

  ないだろうか。

  今までにないような 不思議な余韻ののこる

  映画でした。