絵本ノートから 80


  エミリー


    マイケル・ビダード  バーバーラ・クーニー



  ・・・天国をみつけられなければ
   
      地上で

     天上でもみつけられないでしょう

     たとえ どこへうつりすんでも

     天使は いつもとなりに

       家をかりるのですから


   学生のころ 「だれが 風をみたでしょう ぼくもわたしも

   みやしない」など子どものための詩を たくさん書いた 

   クリスティナ・ロゼッテイの詩集を読んでいたら

   先生が エミリー・デキンソンの詩を 教えてくださいました。

   彼女の詩は 難解な現代詩で ちょっと歯がたたず

   読むことはなかったのですが 何年かして この絵本を

   見つけた時 青春の一ページが もどってきたような

   忘れていた宿題を 終えたような

   そんな気になったものです。



   今また読み返してみると イギリスとアメリカとはいえ

   同時代に生きた二人の詩人は 新しい時代を予感しつつ

   春を待っていたのではないだろうか・・・などと

   様々なイマジネイションがわいてくる 私には大切な一冊です